2019/10/08 00:02
今月でお店という形から、アトリエ+オンライン販売という形に変えてから1年が経ちました。
お陰様で毎日、沢山のご注文をいただいてお店で販売していたのが、遥か昔のように感じるくらい充実した日々を過ごしております。
さてOmusubiでは、お店がある時からとても大切にしていることがあります。
それは、なんでしょう??
それは、お客様の声。
今は直接、その声を伺う機会が少なくなってしまったのですが、その代わりにオンライン販売ではレビューを通してのご意見や、メールでのお問い合わせ内容を大切にしていて、新商品のヒントにしたり、商品のリニューアルの材料にしたりしています。
今回はリニューアルを重ねて、当店の人気商品になった「Hibiki
ー響」という商品をデザインし直した新商品を出すことになりました。
これはお客様からの声をヒントに造花を一切使用せずにアレンジした商品です。
実はOmusubiの商品、開店当初は商品のほぼ全てがプリザーブドフラワーで造花は使用していませんでした。
自然な花の風合いを活かしたデザインを心がけていて、造花を使用しないというのがアピールポイントでもあったのです。
「Hibibikiー響」も新商品で出した当初はすべてプリザーブドフラワーでした。
「心に響く色合い」というのをコンセプトに淡いパープルのグラデーションでデザインしたお供え用のアレンジメント。
売り出したのがお盆前ということもあり、思い切って沢山仕入れた材料もすぐに完売し、追加注文するほどに順調に売れていきました。
ただ、この商品はお盆が終わってみるとぱったりと売れなくなってしまいました。
他のお供え商品はお陰様で沢山の良いレビューをいただいていましたが、「Hibikiー響」のレビューと評価がとても低かったのです。
「思ったより小さかった」
「ボリュームがなかった」
「HIbikiー響」をお選びくださったお客様たちには、期待するほどのボリューム感が欠けていたのです。
実はプリザーブドフラワーという素材、ボリュームを出すのは苦手分野です。
素材自体が高額な上に、加工方法により素材の大きさは生花の6〜7割程度。
なので、多くのお店が造花やリボンを混ぜてボリューム感を出したデザインを施しています。
造花を使わずにプリザーブドフラワーだけでアレンジすると「こんなに小さいのにこんなに高いの!?」という印象になってしまいがちなのです。
沢山あるお店の中からOmusubiを選んでくださったのに、満足いただけなかったことは残念でなりませんでした。
ただ、低い評価をされた方の中に「色合いはよかった」「色は綺麗だった」と「Hibikiー響」の色彩については満足していただけているのでは?というコメントが多数あったのです。
そこで、「Hibikiー響」のアピールポイントである色の美しさを売りにカラーバリエーションを増やすことに。
素材も「プリザーブドフラワーだけ」にこだわりを持つのを一旦やめて、美しい色合いや質感を演出する素材は造花でも使ってみる、というスタンスに変更してリニューアルしたのです。
すぐに結果が出たわけではありませんでしたが、レビューをヒントに改善を重ねてカラーバリエーションが1色から3色へ、3色から5色へと増えるにつれて、だんだんと人気商品になっていきました。
今では店を支える一番人気の商品となっています。
造花を取り入れることで、ボリューム感が増した上に繊細な色合いを作り出すことができるようになった「Hibikiー響」という商品。
販売数が増えるにつれて今度は「造花の分量が多すぎる」「造花ばっかり」といったコメントが低評価のレビューの中に目立つようになってきました。
これ以上、1つの商品をリニューアルすることで全てのお客様のご期待に添うことは難しいのではないかと考え、「Hibikiー響」という商品の良さを残しながらも、プリザーブドフラワーの素材にこだわりのあるお客様にご満足いただける商品を作ってみることにしました。
そして今回完成したのが「Hibiki-APR(All Preservedflowers/オールプリザーブドフラワー)」
既存の「Hibikiー響」とボリューム感と色の雰囲気はそのままに、素材は造花は使わずにプリザーブドフラワーとドライフラワーなどの天然素材のみを使用して、より自然で優しい雰囲気にデザインいたしました。
お値段は通常より+2000円となりますが、プリザーブドフラワーの魅力と価値のわかる方にはその風合いの違いにご納得いただけるのではないかと考えております。
商品を通してお客様との新しい出会いを楽しみに、これからも変化していけたらと思っています。
Omusubi
デザイナー:塩屋喜子